前回と同様に「手付の額」について理解できているかを深堀していきますね。
<平成21年 抜粋 一部改>
宅地建物取引業者Aが、自ら売り主として宅地取引業者でない買主B との間で締結する建築工事完了後の建物の売買契約に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定並びに判例により正誤を述べよ。
・当該契約の締結に際し、B がA 社に手付金を支払い、さらに中間金を支払った場合、BはA社が契約の履行に着手しないときであっても、支払った手付金を放棄して契約の解除をすることができない。
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解答
誤
解説
まず設問の中には代金などの記載がありませんよね。
手付解除の方法を問われていることを理解しましょう。
A 社は業者ですので①、買主B が解除をしようとしているのは、当事者の一方が履行に着手する前なので、手付金を放棄することで、契約を解除できますよね(③)。
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もうバッチリでしょうか?
しっかりと整理して、試験の時に問題が出た場合は「よっしゃー」と言えるくらいにしていきましょうね。
瑕疵担保責任の横断理解テクニック
最後に瑕疵担保責任の
横断理解をしておきましょう。
瑕疵担保責任とは、売買の目的に瑕疵(欠陥)があった場合に、売り主に責任が有る、無しを問わずに(無過失責任)、何らかの責任追及ができる制度でしたよね。
この瑕疵担保責任について、民法の規定によれば、買主が事実を知ったときから1年以内にしなければならないとされています。
これに対して宅建業法はどんな規定だったでしょうか?要約します。
1・宅建業者が自ら売り主となる場合に
2・民法よりも、買い主に不利となる特約は無効
3・ただし、目的物の引き渡しの日から2年以上となる期間の特約は有効
でしたね。
民法よりも買主に有利となる特約は有効
不利となる特約は、無効、→その場合は民法が適用されます。
さらに補足説明をしておきますが、
業法③の2年以上の特約部分についてですが、有効です。
「いつまでも特約を約束できないよね」、との意味ですが、この場合だけ法律では業者を保護してくれています。
民法での解釈はあくまでも私人間の問題なので、例えば、引き渡した後5年後に瑕疵(欠陥)に気が付きました。その時点から1年間は責任追及できます。
それでは、いつもと同様に理解度を確認するための問題を改めて出していきますので、まずはしっかりと整理しておいてくださいね。